映画で学ぶ世界史・フランス革命『レ・ミゼラブル』

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映画で学ぶ世界史・フランス革命『レ・ミゼラブル』

「映画で学ぶ世界史」の第2回目はテーマを「フランス革命」作品を「レ・ミゼラブル」にしてみました。この授業は任意選択参加の授業なので、文芸作品、ミュージカル、大長編、人数は集まらないだろうと思っていましたが、あにはからんや盛況ではありませんか。

ヴィクトル・ユーゴーの原作は文庫本でも4~5冊になる大河小説です。フランス近代文学・ロマン主義文学の代表作ですので、ぜひ読んでもらいたい作品ではありますが、無理やり読ませるような無粋なことはいたしませんので、歌と音楽、映像でたっぷり楽しんでもらいました。

1832年6月5日、文豪ヴィクトル・ユーゴーはパリのテュイルリー庭園で戯曲を執筆しているとき銃声を聞きます。中心街に移動したユーゴーはバリケードを築いて抵抗する市民・学生で組織された革命派と政府軍の銃撃戦に遭遇することになります。現場の目撃者であったことが作品執筆の原動力となったことは明らかで、終章のクライマックスともなっています。六月暴動は1789年のバスティーユ襲撃に始まるフランス革命史の中では扱いがあまり大きくありませんが、この作品によって一躍世に知られようになりました。革命支持・レプブリカンであったユーゴーの筆になる作品は市民・学生たちに強い共感を寄せて描かれています。

レ・ミゼラブルは著名な小説だけに幾度となく映画化され、今年封切のラジ・リ監督作品も名作の呼び声高い作品ですが、時代設定を現代に移していますので、今回は2012年、トム・フーパー監督のミュージカル作品をチョイスしました。やはり世界史の授業ですので、フランス大革命とくれば二角帽子でなければなりません。主演のヒュー・ジャックマンもさることながら、ジャベール警部役のラッセル・クロウ、いい役者さんです。出世作となったグラディエーターでもそうでしたが、にこりともしないニヒルなヒーロー像が粋ですね。ハリウッド俳優恐るべし歌もお上手です。

偶然ですが前回上映の「英国王のスピーチ」と同じ監督さんです。市民の歓呼に応える国王ジョージ6世とその家族、同志や愛する人々とともに民衆の歌を高らかに歌い上げるジャン・ヴァルジャン、吃音も彼の生涯も決して愉快なものではなかったと思いますが、ラストシーンでは巧みなカメラワークと細部まで徹底的にこだわった群衆映像によって、作品のテーマである自由・未来・希望・愛を見事に表現しています。

奈良甘樫高等学院もそうですが通信制高校の生徒たちの中には転入学や編入学によって他の高校から移籍してきた生徒たちが大勢在籍しています。望んで入学した高校を辞めざるを得なかった転入学生や編入学生たちの心中は察するに余りあります。それだけに卒業式では私も卒業生たちの未来や希望を華やかに高らかに歌い上げてあげたいと常に望んでいます。そうした意味でもこの二作品は学院の教材としてピッタリの秀作ではないかと思います。

卒業式のテーマも未来と希望です
卒業式のテーマも未来と希望です
仏文学にちなんで花束『三銃士』
仏文学にちなんで花束『三銃士』
映画上映で大活躍のサブウーファー
大活躍のサブウーファーです

この取り組みで威力を発揮してくれるのがサブウーファー、学院の教室は畳数にすると60畳以上ありますので、メインスピーカーだけでは役不足です。センタースピーカーとどちらにするか迷ったのですが、こちらにして正解でした。インシュレーターが少しばかり高価でしたが、低音はもちろん余韻や音感の改善で効果はバッチリ、銃撃シーンでは生徒たちがのけぞっていました。やはり映画は美しい映像と音響で楽しむに限ります。