『過去と未来を旅する校外学習』太陽の塔とバーチャルスポーツ

今回の校外学習のテーマは『過去と未来を旅する校外学習』です

日本万国博覧会 EXPO’70・岡本太郎「太陽の塔・生命の樹」

今年の春の校外学習は大阪吹田の万博記念公園とエキスポシティに行ってきました。今回のメインイベントは「太陽の塔」の内部見学です。太陽の塔は、1970年(昭和45年)に開催された日本万国博覧会のシンボルゾーンにテーマ館として、母の塔・青春の塔・大屋根とともに建設されました。

今では森ノ宮の大坂城、浪速新世界の通天閣と並んで大阪のシンボル的存在となっている太陽の塔ですが、当初の計画では万博の会期終了後、千里ニュータウンと接続する都市開発がなされる予定で、他のパビリオン同様、取り壊される計画であったものが、保存を求める強い世論に押される形で存続が決まったそうです。

「芸術は爆発だ!」「岡本太郎に過去はない」と過去の自分の作品にこだわりを持たないことで有名であった、テーマプロデューサーの岡本太郎氏にとっても太陽の塔は特別だったようで保存活動に熱心に関わっています。その甲斐あって、太陽の塔は 50 年後の今日もなお、大阪万博の黄金の顔として千里丘陵に輝き続けています。

半年の会期中、のべ入場者数6,400万人、迷子の数だけで22万人「人類の進歩と調和」をテーマに掲げ、当時としては過去最多の77ヵ国が参加し、戦後、高度経済成長を成し遂げ、アメリカに次ぐ経済大国となった、我が国にとって象徴的な意義を持つプロジェクトであった EXPO’70 OSAKA の息吹を感じてもらえればと思います。

過去と未来を旅する校外学習・万博記念公園|黄金の顔が輝く大阪万博のシンボル「太陽の塔」
黄金の顔が輝くシンボル・太陽の塔
過去と未来を旅する校外学習・太陽の塔|内部から撮影の第二の顔「太陽の顔」
内部から撮影の第二の顔・太陽の顔
過去と未来を旅する校外学習・太陽の塔|信楽焼で作られた裏側の「黒い太陽」
信楽焼で作られた裏側の黒い太陽

思えば遠く来たもんだ・創立四年目の奈良甘樫高等学院

創立4年目となった今年の学院は生徒数も増え、通学範囲も広範囲になり奈良県全域と京都府下、三重県下から登校している生徒もいて、片道で2時間以上かかる行程は少しきついかなと思って逡巡していたところ「思い切って決行」しましょうと生徒たちの頼もしい声に後押しされて実施の運びとなりました。

学校行事の目的の一つは土地勘や地理感覚を自然に身に着けてもらうことにありますので、学院の行事は貸切バスは使わず、出来るだけ電車等の公共交通機関を使うようにしています。卒業までには「森ノ宮ですか?鶴橋で環状線に乗り換えて二駅目ですね」くらいの感覚は持ってもらいたいとの考えです。

特に奈良県は奈良府民と通称されるように、高校卒業後は県外に通学・通勤する人の割合が非常に高い地域だけに、これから社会に巣立っていく高校生にとっては必要不可欠な知識とも言えます。奈良県内には理工系学部を持つ大学は奈良女子大学しかありませんので、理工系志望の男子生徒は必然的に県外大学への進学を考えざるを得ない事情もあります。

もちろん私以外の教員も同行しますが、先生はあくまでもバックアップ要員、学院一行の先頭と最後尾は企画立案を行った三年生たちがしっかり固め、大阪吹田へ向け奈良大和高田を出発します。

過去と未来を旅する校外学習・太陽の塔|岡本太郎氏の進化の歴史「生命の樹」
岡本太郎氏の進化の歴史・生命の樹
過去と未来を旅する校外学習・岡本太郎|太陽の塔・第四の顔「地下の太陽」
太陽の塔「第四の顔」地下の太陽
過去と未来を旅する校外学習・太陽の塔|復元された失われた地下展示
復元された失われた地下展示

アヴァンギャルド芸術のメインテーマは縄文の心・原始の美術

今回の行程は近鉄大和高田駅から近鉄上本町駅で大阪メトロに乗り換え、大日駅でさらに大阪モノレールへ乗り継いで太陽の塔を目指します。太陽の塔は予約制のため学院の行事としては珍しくタイトな行程でしたが、万博記念公園駅に予定通り到着、外観は後でゆっくりと見学することにしていざ入場です。

大阪万博閉幕後、約50年間人目に触れることのなかった空間です。写真や映像で見たことはありましたが、実物の内部空間は幻想的で圧倒的迫力、非常に強いインパクト!やはり芸術や音楽は実際に体感するのがベストです。2025年に開催予定の次期大阪万博のためのオブジェと言っても何ら違和感がない前衛性です。

スペースデザインとかインスタレーションという言葉がありますが、まさに空間全体がデザインされていることを体感できる作品群です。日本の文化芸術、美術の原点を縄文時代に置くクールな着想、惜しむらくは地下のスペースが埋め戻され、作品は行方不明となって、一部が復元されているのに留まる点ですが、それでもこのクオリティーの高さです。

我が国の伝統的な和風芸術ではなく、近代欧米的なアートでもない、シュールでエネルギッシュな前衛芸術を敢て「日本」万国博覧会の顔とした、当時の日本人たちの意気込みが伝わってくるようでした。芸術家岡本太郎氏の最高作の一つとして名高い「生命の樹」は生徒たちにも大変好評、奈良大和高田からはるばるやって来た甲斐があるというものです。

エキスポシティ・バーチャルスポーツ|現在のエキスポシティの全景です
現在のエキスポシティの全景です
エキスポシティ・バーチャルスポーツ|新規オープンの「VSPARK」
新規オープンの VSPARK
エキスポシティ・バーチャルスポーツ|新設都市型ミュージアム「ニフレル」
新設都市型ミュージアム・ニフレル

エキスポシティ・バーチャルスポーツ

さて、後半は万博記念公園に隣接する大型複合施設のエキスポシティに移動してバーチャルスポーツ・バラエティースポーツを楽しみます。まずはガンダムスクエアで記念撮影ですが生徒たちの反応は特になし。第一作目の機動戦士ガンダムのテレビ放映は私が高校生の時ですからおよそ40年前、ガンダムも今や懐かしのヒーローとなってしまったのでしょうか。

代わって生徒たちを笑顔したのはお昼ご飯、奈良を出発して5時間、今も昔もこれは変わりなく、高校生たちの世代はすぐにお腹が空きます。2015年に開業したエキスポシティですが、前身のエキスポランドの面影はどこにもありませんね。ガンダムと合わせて少し寂しさを感じます。

エネルギーを補充したところで、最後のイベント「VSPARK」に入場、昨年バンダイナムコグループがプロデュースして新たにオープンした最新バーチャルスポーツ体験施設です。「ヤバすぎスポーツ集結」とキャッチコピーは過激ですが、ほとんどのセクターが小学生以上可ですので、リアルのスポーツより安全性は高めです。

隣には海遊館がプロデュースしてこれも新たにオープンした都市型水族館「生きているミュージアムニフレル」があり、どちらにするか迷っていたのですが、こちらにして正解だったようです。学校行事・活動ページのフォトギャラリーのガッツポーズ写真をご覧ください。ただ、生徒たちの感想として VR 感やリアリティー感覚がもう少しほしいという意見も多くありました。「 e スポーツ」という新しい PC のバーチャルスポーツもありますのでこれから研究していきたいと思います。

エキスポシティ・VSPARK |バーチャルスポーツ行きます!
バーチャルスポーツ行きます!
エキスポシティ・VSPARK |いつもながら女子アクティブです
いつもながら女子アクティブです
エキスポシティ・VSPARK |I'm very tired(笑)
I’m very tired(笑)

エピローグ

学院一行は予定通り大和高田に無事帰着いたしました。次回の校外学習は後期の12月に実施の予定です。どのような行事になるかは、生徒たちに考えてもらいます。皆さんのアイデアを聞かせてください。余談になりますが、当時の子供たちにとって「万博に行ってきました」は羨望の的、ステータスシンボルのようなものでしたから、今回の校外学習を一番楽しんだのはやはり私だったのかもしれません。

当日の主な写真は「学校行事・活動」ページのフォトアルバム・フォトギャラリーにあります。最新の活動は学院公式「Twitter」「Facebook」でも発信していますので、こちらもホームーページ同様よろしくお願いいたします。

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前回の校外学習「海遊館」の様子です

秋季校外学習・海遊館

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